2011.1.18 参考文献5のリンク変更(PDFで読めます) CiNii 論文PDF - オープンアクセス(国立情報学研究所(NII)論文情報ナビゲータ[サイニィ]))
KPC 関谷トップページへ 作者へのメッセージこのページは、九州ポリテクカレッジ 紀要No.1 に投稿中の報告です。(リンクの変更があります。)
Implementation of Intranet Systems at the KPC Information Systems
and It's Usage (Mail and Web Server)
情報技術科 古屋 保
Tamotsu Furuya
情報処理科 関谷 順太
Zyunta Sekiya
1999年度から、専門課程の情報システム系2年生とアビリティ情報コースでのイントラネットを構築し、試験的な運用を始めた。
学外ともつながるメールサーバと、学内のみでのWebサーバを、FreeBSDで構築し、専門課程情報システム系2年生学生・アビリティ情報コースの受講者、専門課程担当の情報系職員のユーザの登録を行った。電子メールの利用と、Webサイトの作成と利用を試験的に行ってきた。
本報告は,これを担当あるいは利用した筆者らが,その状況をとりまとめたものである。
専門課程情報システム系のコンピュータ等リース機器が設置後4年目を迎え、次ぎのリプレースの検討が始まっている。インターネットの利用は、 1997年7月から校内LAN経由で九州地域研究ネットワークKARRN戸畑NOCと専用回線接続で利用できるようになり、その後、KARRNからSINET(学術情報ネットワーク)に変わり、1998年4月からは、NTTのOCNを利用した回線も利用している。
専門課程情報システム系学生(以下は学生と呼ぶ)及び、アビリティの情報コース受講生の電子メール用に、1999年3月から、職員用メールとは別にFreeBSDのイントラネットサーバを設定・運用した。Webサーバについても、同様に、情報システム系で同じPCに設置して、筆者らによる試験的な運用を始めた。
これに到る経過と成果、今後の課題について述べる。
情報技術の学校や地域社会での利用は、世界各地で進展している1)。日本においても、近年のパソコンの普及により、大学等におけるインターネットの利用が増加している。それらの動きの中で、特に,筆者の一人古屋は、1997年10月以来、WIDEメンバーによるオンライン授業をはじめ様々な取り組みが行なわれているWide SOI(スクール オブ インターネット)2)を知って、情報系のイントラネットの構築を計画し、運用するきっかけとなった。
筆者の一人関谷は、古屋の支援を受けて、アビリティコースのイントラネットを担当してきた。早稲田大学文学部 井桁貞義の研究室のインターネットによる授業のページ3)を日本経済新聞1999.1.17の寄稿(授業にネット、大学革新 -メールで随時質問 多彩な資料、簡単に学校を結んで講座)で知って、そのハイパーリンクの多いWebページを見て、授業でのWebページの有用性を実感した。
大学等の学校での授業におけるインターネットの
利用は、インターネットの検索エンジン等で調べた結果、相当数の学校で試行されている。「インターネットと教育」4)のページには、日本の教育関連リソースへのリンク集、インターネットと教育フォーラム2000の案内などがあり、学校でのインターネットの利用が進展しつつあることが伺える。
Webでのハイパーリンクによるマルチメディアの利用は、紙(印刷物)では難しかった階層的な情報の検索・提示、カラーの図・写真やアニメーション・講演を任意の時に聞くことなどが実現できる。これらの最新の情報が、全世界から、ほとんど、距離や費用を考えないで入手できる。
英語教育での利用は、大変に効果が大きいことが発表されている。東海大学英文学科の朝尾5)によると、インターネット(電子メール、WWWによる自己表現)を利用したライティング授業に変えて、最も不人気な授業科目が最も人気のある授業に3年間で変わったという。
2年前の機器等の整備で、各科にイントラネットサーバの設定がなされた。それを使用して情報系のサーバの設定を古屋が行った。
ハードウェア仕様 FM−5500SV
CPU: Pentium (129.34-MHz 586-class CPU)
avail memory = 145518592 (142108K bytes)
ahc0 <Adaptec 2940 SCSI host adapter>
HD:"SEAGATE ST32550W 9203" 2047MB (4194058 512 byte sectors)×4台
CD-ROM: MATSHITA CD-ROM CR-503 1.0f
OS: FreeBSD 2.2.6-RELEASE #0
・メールサーバの設定
サーバPCには、SMTPサーバとしてSendmail、POP3サーバとしてipop3d、IMAP4サーバとしてimapdが動作し、主に情報系のローカルメールサーバとして使用している。
情報系職員、学生及びアビリティコース受講生全てのユーザを登録しており、メールアドレスを割り当てている。試用として学外のメール交換を可能にするために、デフォルト・リレー・ホストとしてグローバルに接続されているメールサーバを指定している。
・Webサーバの設定
サーバPCには、HTTPサーバとしてApacheが動作し、主に情報系のローカルWebサーバとして使用している。上記に述べているとおりこのサーバPCは情報系職員、学生及びアビリティコース受講生全てに対しアカウントがあり、ホームディレクトリとシェルを与えているので、HTMLファイルindex.htmlを所定のディレクトリ~/public_htmlに登録すれば、各個人のWebページを学内に公開することが可能である。
・職員と学生・アビリティコースのインデックス(トップページ)6)の作成
このWebサーバのコンテンツは、各クライアントPCのWebブラウザより、URLとしてサーバPCのIPアドレスまたはDNSを設定している場合はホスト名を指定することにより閲覧することが可能である。(但し、Webブラウザの設定でプロキシを使用しないに設定する必要がある)。このとき最初に現れるページが情報系のWebサーバのインデックス(トップページ)であり、各ユーザWebページへのリンク及び情報技術科のカリキュラムに関するページへのリンクが張ってある。
(以下は,http://172.20.160.250/のページをコピー・貼りつけ、編集したものである。)
情報システム系Webサーバ(it.nc.sp.kyushu-pc.ac.jp)トップページ
Webページの登録方法
内容
科目履修案内
授業要目
履修科目単位表
各ユーザWebページへのリンク
50音順及び学籍番号順
----------------------------------------
職員
(氏名)
----------------------------------------
非常勤講師
(氏名)
----------------------------------------
情報技術科2年生
(以下に学生の氏名)
情報処理科2年生
情報技術科1年生
アビリティコース
アビリティーコースのユーザWebページ
・HDの使用状況(2000.3.30現在)
HP用ディレクトリ/home 2GBに対して13%の使用
メール用ディレクトリ/var/mail 2GBに対して5%の使用状況である。
・カリキュラム等
学生が常に参照できるように、情報技術科の各履修科目の概要及び単位表を掲載している。データとしては学生便覧の内容をそのまま表現した。
毎年行われるオープンキャンパスにおける情報技術科の紹介として専用のHPを作成した。内容としては、まずWebブラウザをはじめて使用する人のために「インターネット利用方法」というページを用意しWebブラウザの基本的な操作をそこで習得させるようにした。平成11年度のオープンキャンパスの際に運用してみたところ5分程度の説明で見学に来ている全員が操作できるようになった。このオープンキャンパスのページには、授業で使用しているページにリンクさせており、実際に行っている授業内容を確認することが可能になっている。
古屋が学内に公開しているHPは、主に情報技術科履修科目「データ構造・データ構造実習」及び「図形処理・図形処理実習」の講義内容を掲載している。印刷物と違い、プログラムのサンプルリストデータをそのまま活用でき、図形処理においてはオブジェクトの照明効果等をフルカラーで見ることができる。
また、古屋が作成した掲示板機能を持たせたCGIを用意し、各学生のレポート及びレポートWebページへのリンクを掲載することができる。掲示板の書き込みの際に日時を記録できるのでレポート提出日時が一目で確認できる。
古屋研のWebサイトをコピーさせてもらい、関谷研のWebサイトを作成した。そして、以下のページを作成した。
・専門課程の2年生の授業では、「統計手法・計算処理実習」の最後の2回。
・アビリティ情報コースでの「Eメール」と「課題実習」でのWebページ作成。
・KIPスクールでの発表資料としての利用
(Linuxのデスクトップの使用)
・相談援助での利用(ソフトウェア企業へのリンク、CGへのリンク)
・趣味のWebページ作成(家庭菜園)
7.1 学外公開と諸問題
現在、Webページの学外への公開は原則として禁止されているので学内だけの公開としている。(職員の個人ページ7)では、一部学外に公開している。)これを学外に公開すれば、当校情報技術科受験志望している人にとっては非常に有意義な生の情報となる。これを行えば入学して授業の内容が自分の希望としているものと違うことで落胆したり退学したりするケースが無くなるはずである。しかし、学生のHPを公開するのは著作権、プライバシー及び内容的な面で問題がある。学生の作成したWebページを見てみると、芸能人の画像や自分の携帯電話番号等を掲載しているものがある。もし、学外に公開するのであれば、われわれ講師が公開して良いページと公開すべきでないページを取捨選択する必要がある。または、インターネット利用での著作権問題及びプライバシー問題等について確実に指導させる必要がある。これについては、インターネットの学校での利用に関して、兵庫県インターネット利用推進協力者会議がまとめたインターネット利用のガイドライン(改訂版)8)などが参考になる。
7.2 プロ向けのHTMLエディタの利用
資料の印刷・製本の代わりに、Webページ作成と更新に手間が掛かる。この作業を効率化するには、テキストエディタによる作成・保守から、HTMLエディタの使用を検討すると良いであろう。DreamWeaver のようなプロ向けのツールを採用すれば、相当に便利にWebサイトが更新できると思われる。
7.3 学生の情報リテラシー教育・実践
電子メールやWebページの利用が教育や就職活動に役立つことが分かっていても、パソコン教室での他の授業時間に、インターネットやEmail9)で遊んでしまうことが起きている。このため、全面的にインターネット等を使用禁止としている科やセミナーもある。
これは、情報リテラシーの問題である。情報系では、時間帯で外部に接続できないように設定することも行っている。しかし、正しい使用法を身につけることを我々が常々、注意する必要がある。
2011.1.18 参考文献5のリンク変更(PDFで読めます。) CiNii 論文PDF - オープンアクセス(国立情報学研究所(NII)論文情報ナビゲータ[サイニィ]))
2008.2.6 名古屋大学 大学院国際言語文化研究科 松岡光治研究室 [English Version]もあります(変更)
2002.10.14 Webサイトの改造とプロバイダの追加での変更