九州職業能力開発大学校
専門課程 情報技術科 関谷 順太
Specialist course at Information Technology, Zyunta Sekiya
With the study meeting (the KIP school) at the Heisei fiscal year 12, whicch Kitakyushu Information Service Industry Promotion Association(KIP) sponsored, XML (eXtensible Markup Language) the technology group was made. Doing announcement about the contents of study that holds 10 times of study meetings for 2 hours nighttime with 10 members of the enterprises, appointed participant reported his theme, and uploaded the contents to the KIP notice board. And, I uploaded the detail documents to my private Web. We did the introduction of the work in terms of the outline, theme of an/the above activity and XML in the presentation of the whole 4 groups meeting.
The presentation of the author was making of XML file of the group activity Web page. It combines with the XSL file in, browser IE5.0 over changes the line of the data in the XML file and the contents of the reverse order in the opening day able to display it.
I report the case with the learning of new technology XML through the study meeting of this local association KIP.
平成12年度、北九州情報サービス産業振興協会(KIP)が主催する学習会(KIPスクール)にてXML(eXtensible Markup Language)技術グループが作られた。企業の方10名と共に夜間2時間・10回の学習会を開催し、参加者各自が予定した学習内容について発表を行い、その内容をKIP掲示板及び個人Webにアップロードしていった。また、全体会の発表では、上記活動とXMLの概要、テーマ別作品の紹介を行った。筆者の発表は、グループ活動Webページの目次のXML化を行った。ブラウザIE5.0以上では、XSLファイルと組み合わせて、XMLファイルでのデータの並びを変えて、開催日の逆順の目次が表示できている。
この地域団体KIPの学習会を通して、新技術XMLの習得に取り組んだ事例を報告する。
北九州情報サービス産業振興協会(略称 KIP)[1]は、平成元年5月に設立され、平成13年4月1日現在で正会員22社(北九州市に本社がある情報サービス企業や団体)、賛助会員26(その他の情報関連企業や学校-当校を含む-など)の構成である。その活動は、情報提供、人材育成、交流、広報の4事業を行っている。
この中の人材育成事業は、この数年間、次の2件が実施されている。
(1)新入社員技術教育
初級教育-4月〜6月の約3ヶ月間-で、当校の情報系を利用していただいている。
(2)KIPスクール(中級・上級教育)
具体的なテーマ別にグループ編成を行い、自主的な勉強会を実施。筆者は、Java(1996-1998 [2]),Linux(1999),XML(2000)に参加した。
2000年度のKIPスクール(xmlグループ)での活動とxml技術の概要を報告する。
2000年度は、2000年9月〜2001年3月までの期間で活動した。3回の全体会は、北九州テクノセンターで開催された。
第1回全体会:9月20日(グループ編成)、講演「IT業界の現状と動向」
XML技術の習得 11名
Java技術の習得 24名(2分)
Linuxの研究 4名
第2回全体会:12月13日(中間報告)と講演「ショッピングモールの事例紹介」
第3回全体会:2001年3月16日(成果発表)を行った。
この間に、各グループによる勉強会を行った。
2000年度第1回の全体会でグループ会員11名の自己紹介の後、年間活動計画を作った。
XMLについて、メンバーは、講習会の受講者が1人で、まだ、初心者のみであった。そこで、前半は、同じ参考書[3]を使ってのXML技術の習得にした。そこでは、回り持ちで、メンバーが学習内容を発表し、全体のレベルアップをはかった。
後半では、各自のXMLに関するテーマを決めて、似たテーマでの3グループを作り,グループごとにXML利用の例を作った。
学習の会場は、当校のC303教室を利用し、19:00-21:00とした。会合の報告は、KIP掲示板[4]にアップした。小生のWebページ[5]には、詳細な内容をアップした。
以下に、会合の経過を示す。()内は、発表者を示す。
第01回 2000.10.03 XMLの概要[6](関谷、照山) 第02回 2000.10.19 XMLとXSL例(若菜) 第03回 2000.10.31 XML文法とDTD、XML検証ツールの紹介(宮下、照山) 第04回 2000.11.14 DOMとXSL(森、越智) 第05回 2000.11.28 リンクとポインタ、XMLのアプリケーション(関谷、城野) 第06回 2000.12.12 XML構築ツール(間、真田) 第07-10回 2001.1.16/3.6 グループ活動1-4
(3グループのテーマは、ドキュメント管理(2名)、情報検索システム1と2(各2名)で、担当した。筆者は、ドキュメント管理を分担した。)
XMLは、eXtensible Markup Language の頭文字(HTMLのように固定フォーマットではないという意味で "extensible(拡張可能な)")であり、インターネット(World Wide Web)でSGML(Standard General Markup Languade)が利用できるように設計されている。
XMLは、文書、Webページ、データの3つの分野で利用される。文書は、SGMLの延長であり、文書の統一的なフォーマット化や行政機関の書類の電子化などである。Webページでは、データとデザインを分けて、ソフトウェアが自動的にデータ処理できるようにする。データの分野では、EC(電子商取引)などでの標準化である。
この最後の分野での事例が、伊藤忠商事株式会社が運営するB to B WebサイトINFIMe.COM[8]や住友電工のWeb購買システムである。前者では、自動車のEDIによる発注とSCMサービスを提供している。このサイト内の全データをXMLで統一することで、開発の生産性をあげたとの事。その要因の一つは、XMLでビジネスロジックを開発しながら、XSLにより並行してデザイン作業を進められたこと。
しかしながら、XML化に対して、あきらめた企業もある。衛生陶器最大手のTOTOで,購買部調達企画グループに所属する池田正昭氏は,日経コンピュータ誌の取材に対して,「1999年末から2000年9月までの約10カ月間,TOTOの全社調達システムにXMLを適用しようと,奮闘してきた。「BtoBの標準データ形式になると信じて,何とかXMLを活用しようと,知恵を絞った」という。しかし,池田氏は,最終的にXMLの採用を見送った。「XMLを使ったデータのやり取りに,取引先や事業部の理解がほとんど得られなかった。それに開発コストも2-3割高くなる。当時は、XMLの開発経験を持つ技術者がほとんど居なかった。」という[9]。
ドキュメントグループでの成果は、つぎの2つである。1.NCK 若菜氏による「XMLDOC(ニュース記事管理)」と、2.筆者の「2000年度 KIPスクール_XMLページ(関谷)の目次ページのXML化」である。
後者について概要を説明する。目次をHTMLファイルでは、会合日順に表示している。このデータをXML化し、会合日順での表示のほかに、会合日の逆順の表示を可能にしたものである。以下に、Webブラウザで「会合日の逆順の目次」の最初の2行を示す。
会合日の逆順の目次 回数 会合日 活動内容 第10回 2001.03.06 グループ活動4 第09回 2001.02.13 グループ活動3 ・・・
元になったXMLファイルの内容を次に示す。 <?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?> <?xml-stylesheet type="text/xsl" href="index.xsl"?> <!DOCTYPE DOC_INDEX [ <!ELEMENT DOC_INDEX (TITLE,BODY)> <!ELEMENT TITLE (#PCDATA)> <!ELEMENT BODY (BODYDOC)+> <!ELEMENT BODYDOC (DOCNO, DATE, NOTITLE,URL)> <!ELEMENT DOCNO (#PCDATA)> <!ELEMENT DATE (#PCDATA)> <!ELEMENT NOTITLE (#PCDATA)> <!ELEMENT URL (#PCDATA)> ]> <DOC_INDEX> <TITLE>2000 KIP_XML(関谷)</TITLE> <BODY> <BODYDOC> <DOCNO>01</DOCNO> <DATE>2000.10.03</DATE> <NOTITLE>XMLの概要</NOTITLE> <URL>xml_01.html</URL> </BODYDOC> <BODYDOC> <DOCNO>02</DOCNO> <DATE>2000.10.19</DATE>
以下は、同様なタグとデータの繰返しで、
これらのタグを、自由に付けることができるのが、HTMLでのタグと異なる。タグの構造を示す部分をDTD(Document Type Definition:文書型定義)と呼ぶ。
(注)文書やデータの標準化のためには、XMLのデータ構造の設計でのDTDにのっとって文書定義を行う。共通DTD-タグの仕様(タグ・セット)の標準化-が必要であり、さまざまな分野で検討されている。わが国でも、情報公開法などの背景を受けて、官報や白書など公共的なドキュメントのXML化が既に進行しつつあるという[3]。
次に、このXMLファイルをブラウザで表示するため、2行目に指定したXSLスタイルシートファイルを使う。そのスタイルシート後半の並べ替えて「会合日の逆順」の表を作る部分を以下に示す。なお、会合日順は、並べ替えorder-byを指定しない[10]。
<xsl:template match="DOC_INDEX/BODY"> <h2>会合日の逆順の目次</h2> <table> <tr><th>回数</th><th>会合日</th><th>活動内容</th></tr> <xsl:for-each select="BODYDOC" order-by="-number(DATE)"> <tr> <td>第<xsl:value-of select="DOCNO" />回</td> <td><xsl:value-of select="DATE" /></td> <td> <xsl:element name="a"> <xsl:attribute name="href"> <xsl:value-of select="URL" /> </xsl:attribute> <xsl:value-of select="NOTITLE" /> </xsl:element> </td> </tr> </xsl:for-each> </table>
上の例のように、xslファイルでのHTMLタグの編集は、繰返しの中で、xsl:element、xsl:attributeなどを使って行う。
2000年度のKIPスクールでのXMLグループの活動の概要とXMLを使った目次の例を述べた。
今年度のKIPスクールは、XMLグループが新しいメンバーである。メンバーが忙しいため、EメールとKIP掲示板を使っている。XMLでの文書データベース[11]やXML(対応)データベースによるWebアプリケーションの開発などの学習[12]にも、取り組みたいと思う。
[1] 北九州情報サービス産業振興協会
URL:http://www.kitakyu-techno-ctr.co.jp/kip/
[2] 関谷順太:JAVA言語の調査と能力開発セミナー, 北九州職業能力開発短期大学校紀要第11号,1999年3月,pp.17-21
[3] 池田実/小野寺尚希:まるごと図解 最新 XMLがわかる,2000.8.28,技術評論社刊
[4] KIP掲示板
URL:http://www.kitakyu-techno-ctr.co.jp/kip/bbs/index.cgi
(注)このページで2000年度分を表示するには、最下部のプルダウンリストボックス(「現在のログ」が表示されています)の右端の▼をクリックして選択後、右隣の「閲覧」ボタンをクリックします。
[5] 関谷のKIPスクール_XMLページ
URL:http://www.d4.dion.ne.jp/~sekiya_z/xml/index.html
小生らのWebページに関しては、次の報告を参照。
古屋保・関谷順太:KPC情報システム系イントラネットの構築と利用、九州職業能力開発大学校紀要第1号,2000.3,pp.8-11
[6] XML FAQ 1.1
URL:http://www.fxis.co.jp/DMS/sgml/cafe/library/etc/xmlfaq.html
[7] 真島馨:これから始める人のXMLガイド,日経ソフトウェア2000年9月号,(あるいは、日経BPパソコンベストムック これから始める人のXMLガイド、2001.1.10、日経BP社刊
[8] 原口豊:UNIXシステムをBiz Talk Server 2000によるWeb EDI受発注システムにリプレイス、日経コンピュータ,2001.10.22,p.117
URL:http://www.infimex.com/demo/Default.htm
URL:http://www.baytech.co.jp
[9] 栗原雅:特集XMLの"常識"を覆す-見えてきた万能幻想の真実,日経コンピュータ、2001.3.12、pp.58-61
URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/NC/article/20010312/1/
[10] PROJECT KySS/宮坂雅輝:XML+XSLによるWebサイトの構築と活用、ソフトバンク、2000.7.30
[11] 川村博:作って覚えるXML文書データベース、ソシム、2001.9.18
[12] 株式会社メディアフュージョンXMLラボ:XMLデータベースによるWebアプリケーションの開発、ソフトバンク、2001.3.16