藤原和博さん

人間発見 前杉並区立和田中学校校長 藤原和博さん(ひと面)

公立校改革に挑む

 全国学力テストで2年連続下位に低迷するなど、教育改革が喫緊の課題になっている大阪府。橋下徹知事の要請を受け、前東京都杉並区立和田中学校校長の藤原和博さん(52)が助っ人として乗り込んでいる。

 和田中でおなじみになった総合学習「よのなか科」の授業を行うだけではない。仕組みから変えるべく、自らの人脈を動員。現場の校長や教育委員会に影響力のあるキーマンに精力的に働きかけている。

 もともとはリクルートのトップセールスマン。リクルート事件やダイエーショックでもまれた後、同社のフェロー第1号を経て5年前に東京都初の民間人校長に転じた。教育をライフワークに選んだのは仏パリでの生活体験が影響している。日本の教育界をオセロ盤に見立て、真っ黒を真っ白にひっくり返そうとしている。

東京都初の民間人校長

 大阪府の橋下徹知事とは一面識もありませんでした。和田中に何度か視察にきた池坊保子・元文部科学副大臣が推薦したようです。

バンド・バスケの高校時代

 父は最高裁判所などで事務職をしていました。予算の時期になると役所に泊まり込んでいました。

リクルート事件でTV出演

 営業で印象に残っているのはトステムという建材メーカーです。2億円ぐらい使った採用キャンペーンを担当し、そのキャンペーンで入社した技術者によって、トステムのシステムは業界で10年先行したといわれました。

「公民」教科書に怒り心頭

 1998年に「公民」の教科書を近所の女の子からもらって読んだのがきっかけです。その教科書はダイナミックな経済や社会の動きを全く反映しておらず、怒り心頭に発しました。

大阪府の改革は短期決戦

 大阪府の改革は短期決戦です。「教育は百年の計だから効果が出るのに5年、10年かかる」と言う人がいますが、基礎と基本を押さえれば半年で結果を出してみせます。